美容院で生える、笑えない失敗

カットモデルって

体裁としてはモデルという響きに惹かれる人もいるだろう。恐らく一般的にカットモデルというものに何かしらの期待を抱いている人は、

美容師の技術力向上を基に、最新の技術などを参考にしてカットを始めとした施術を試させてくれるモデルさん

みたいに考えているかもしれない。そう考えられるだけまだ良いとも言えるのかもしれないが、個人的な観点から言わせてもらえば、

美容師が練習するために、カットからカラー、パーマなどの施術を行うに際して、文句ひとつ言わずに受けてくれる実験動物的な存在♪

という風に見えてしまう。この視点、あながち間違っているとはいえないはず、というよりむしろ的確に本質を貫いているのではないかと思ったりもする。

カットモデルになりたい、などと言っている人の大半は恐らくこの事実を失念している、もしくは気づいていないといったところだ。おめでたいが、ここでカットモデルとなった場合に理解しておいてもらいたいのが、『たとえ変な髪形にされても手直しなどのサービスを受けることが出来ない』という点だ。本来なら美容室での施術ミスについては手直しやら返金を求める事は出来ても、カットモデルの場合は募集して採用された時点で、美容師にどのように髪をいじられても文句1つ言わず、自由にいじらせてくれると誓っているようなもの。

これでもまだやりたいという人がいたら止める権利はない、だが後になってどんなに変な髪形にされても文句をいう権利や主張は認められないという点も理解しておこう。

失敗が前提にあると思え

美容師さんは時間がない、おかけで技術を学びたくても実践で学ぶしかない、それでも足りないとなったらカットモデルを利用して、という選択肢を取る。カットモデルを探す場合には街中で理想的な髪をしている人を探しているわけだが、構図としてはいわゆるカモを探しているわけだ。声を掛けられれば興味はないかと誘いをかけてきて、言葉巧みに誘導してYESと答えてしまったら引き返せなくなってしまう。

筆者も以前、都心を歩いている時に突然手に美容室のチラシを持った人に声を掛けられたことがある。ただその時音楽を聞いてイヤホンをしていたこと、さらにいきなりだったため不快感全開で睨みつけたせいか、声を掛けてきた方は何も言わず黙って後ろに下がっていった事もあったが、もしかしたらカットモデルに勧誘されかけたのかもしれない。モデルになれば確かに無料でカットないし、カラーやパーマ、中には縮毛矯正といったものまで体験できるものもあることにはある。

しかしその勧誘の中で当然だが、『失敗』という単語が出てこないのだから恐ろしい。おまけに大抵、言葉の中で目安というものも敷かれていますが、全くもって当てにしない方がいい。カットモデルになったらお金を使わずに髪が切れることには切れますが、その長さはあくまで美容師さんが『何を練習したいのか』で決まってしまうからだ。そしてその練習内容も明かさない美容師さんもいるため、なおさら注意したい。

安請け合いした結果

とある女性の体験談で、道端を歩いている時に声を掛けられたという。この時女性は髪を伸ばしていたのだが、もう少し長くしようとしている時に表参道というオシャレすぎる通りでカットモデルに興味はないかと声がけされたという。興味はなかったが、そこまで切らないという甘言に惑わされて付いていってしまい、悲劇が彼女を待ち受ける。

詳しい状況説明は省くと、モデルとして引き受ける前はミディアムストレートほどあった長髪が、モデルという名の実験動物にされてしまった後はものの見事にショートカットにされてしまったという。そこまで切らない、確かにそう告げたがそんな言葉は瞬く間にひっくり返されて裏切られたのだ。帰宅すると女性の母親は何があったのかと娘の姿に驚愕し、そして女性も切られに切られてしまった短い自身の髪を見て怒りに打ち震えたという。

安請け合いした結果がこの有り様だ、同情を禁じえないところだがカットモデルといったお題目で髪の毛が蹂躙されてしまったのだから笑えない。ですが所詮カットモデルなので手直しも聞かないため泣き寝入りしかなくなってしまうという。

カットモデルという例から考えて

世の中には、手直しを求めたくても求められないケースはある。正当な対価として料金を支払っていれば手直しや返金措置を美容室へ求めることは出来る。しかしカットモデルという、実験動物になることを自発的に選んでしまったら、戻ることは出来ないのです。美容室の失敗談としてカットモデルほど酷い経験はないといっても良いかもしれない。それでも興味があるというなら、やはり美容室にどのような施術を行い、どんな結果になるのかを漠然とまで確認するようにしよう。それこそヘアカットとなったら、切るにしても限度を超えた短さにされてしまったらまた伸ばさなければならない。

時間もない、お金もないという人は思わず惹かれてしまうかもしれないが、カットモデルだけは用心したい。失敗してもその怒りの矛先を何処にも向けられないため、考えていたら一度立ち止まって考えてみよう。無料で髪を切れるなどといった名目に踊らされていないかどうか、手直しすら効かないのにする価値があるのか、冷静になって思案していただきたい。